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Vol01

2020年7月改定

ICHIKAWA Technical News

モータドライブに於ける高調波対策機器の紹介

高調波電流とは

高調波電流は電気機器の障害を発生させる場合があります。
継続的な電気設備の使用環境整備に取り組むため、高調波抑制ガイドラインが制定されています。
モータドライブにインバータを使用する場合、必ず対策が必要になります。
通常の対策で不十分な場合、大掛かりな追加対策が必要になり膨大な費用が発生します。

高調波対策別電源波形を左図に示します。通常の対策(国交省仕様に準拠)をしても、高調波流出電流計算書の提出が必要です。追加の対策を実施すると、内容次第で、高調波レスとして、高調波抑制対策ガイドラインをクリア(K5=0)できます。

高調波電流がもたらす主な問題

  • ・制御機器漏電ブレーカの誤動作
  • ・ラジオのチラツキ、ラジオのノイズ
  • ・電源用リアクトル過熱、焼損
  • ・進相コンデンサ焼損、異音、振動

高調波の発生原因

インバータでは、下記のように電力変換を行っています。
この電力変換を行う際に、入力電流のひずみにより、高調波が、発生します。

マトリクスコンバータの紹介

マトリクスコンバータとは、9個の双方向スイッチを格子状(マトリクス)に接続し、三相の交流電圧からの任意の電圧、周波数を作り出す変換装置です。
インバータと同様にドライブ装置として同様の盤構成で構築することが出来ます。
追加で高調波対策を要求された際、最もシンプルな回路構成で、高調波レス(K5=0)を実現します。

従来からある高調波レス機器との比較
(PWMコンバータ方式とマトリクスコンバータ方式)

従来からあるPWMコンバータ方式と、最新のマトリクスコンバータ方式の制御盤構成例の比較を図(制御盤構成比較)に示します。
ドライブ装置の「省スペース!省配線!高効率!」を実現します。

更なるメリット

発電機への適用

発電機に高調波成分が入り込むと振動や巻線の発熱が発生するためインバータで駆動する場合、対策として、発電機の容量はインバータの約4倍を設ける必要があります。マトリクスコンバータは、高調波レスの為、発電機容量をマトリクスコンバータの約半分以下にできるので、設備投資を抑えることが出来ます。

力率改善によるメリット

力率は、電気機器が使用する交流電力の効率を示す値です。マトリクスコンバータは、高調波レスにより、高力率を実現します。電源設備の容量を軽減し小型化が出来ます。また、力率アップを奨励する電力会社の優遇処置を受けることができ、大幅な電気代節約が可能になります。

運用事例

データセンタ、放送局、病院、公共施設: 制御機器の誤動作を低減します。
コンプレッサー、空調機器: 電源設備の容量を軽減化、電力会社への申請手続き簡略化につながります。

製造メーカ

マトリクスコンバータ: 株式会社安川電機
制御盤設計製造:株式会社ICHIKAWA

POINT

マトリクスコンバータは、
汎用インバータの問題点を一掃、次世代のモータドライブとして、
安全で安心の提供及びハイスパフォーマンスな
設備づくりに貢献します。

CONTACT

メールでのお問い合わせはコチラ

株式会社ICHIKAWA 担当:井山

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